≪特集≫
国内立地再考―国内回帰の高まりと国内立地戦略

昨今、メディアなどではCOVID-19パンデミック、米中デカップリング、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、円安傾向の持続や国内の相対的賃金低下などにより、国内へ生産拠点を動かす‘国内回帰’ という言葉が多くみられます。しかし実態を見ると、企業の中・長期的な経営判断のなかで、自社の競争力を高めるための行動であり、「急に」拠点の再編等が行われたわけではありません。逆に言えば、企業の中期経営計画を紐解くことで、ある程度の方向性を予測することができます。
本号で紹介する学識経験者による論考及び生産拠点の再編を行った企業へのインタビューは、それぞれ、地域産業振興政策に対して示唆を与える内容となっています。本号が、立地企業の価値を高めるために地域はどう行動すべきかを考える契機となることを願っています。

≪目次≫

視点
円安・経済安保で見直される産業立地政策とは

学習院大学　経済学部　教授　清水　順子

談話室
大井川和彦・茨城県知事インタビュー
―持続的な茨城県産業発展を実現する戦略的企業誘致―

茨城県知事　大井川　和彦
聞き手：一般財団法人　日本立地センター　専務理事　上野　透

特集
国内立地再考―国内回帰の高まりと国内立地戦略

製造業の国内回帰と今後の国内立地のあり方

東京大学大学院　総合文化研究科　准教授　鎌倉　夏来

サプライチェーンの変動に合わせた地域産業振興のあり方

早稲田大学　政治経済学術院　教授　戸堂　康之

生産の“国内回帰”をどうみるか―国際分業の進展と国内生産― 

一般財団法人　日本立地センター　参与　高野　泰匡

「社会の大丈夫をつくっていく。」―沖電気工業の成長戦略とサプライチェーン―

沖電気工業株式会社　執行役員　コーポレート本部　副本部長　大田原　就太郎
聞き手：一般財団法人　日本立地センター　機関誌編集委員会　事務局長　梶川　義実

革新的モノづくりの実現による信頼のブランド構築

カヤバ株式会社　取締役　専務執行役員・AC事業本部長　川瀬　正裕
聞き手：一般財団法人　日本立地センター　機関誌編集委員会　事務局長　梶川　義実