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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

スポーツビジネスによる地域活性化

(産業立地2020年1月号特集より)
【スポーツビジネスの可能性】
 2019年にはラグビーワールドカップ日本大会で日本国中が大いに盛り上がり、スポーツがもつ人の心をゆさぶる力を強く認識した今年2020年は東京オリンピック・パラリンピックといったビッグイベントを控え、スポーツへの社会的関心はますます高まっている。
 こうした中、政府は「スポーツの成長産業化」を今後の成長戦略の1つに位置づけ、スポーツをビジネスの観点として捉え、稼ぐ力を高めることによって、スポーツの有する求心力を地域経済の活性化に結びつけようとしている。
 産業としてのスポーツを見ると、その裾野は非常に広いものがある。野球やサッカーのスタジアム、フィットネスクラブなどの施設、衣類、シューズ、ボール等のスポーツ用品製造業分野、観戦という面からはスタジアムの観客収入、テレビ・ラジオ・ネット配信のメディア事業、イベント運営業、広告業、警備やクリーニング等がある。さらに観客旅行や合宿などに関連した交通機関、宿泊施設、飲食店といったあらゆる経済活動に広がる。

【スポーツビジネス、スポーツツーリズムがもたらす地域経済の活性化】
 今回の特集においては、地域産業におけるスポーツビジネス、スポーツツーリズムの動きに焦点をあて、産業立地へと波及していくことも取り上げている。
 (株)モンベルは、都市型店舗の他に、1万人に満たない地方の町にも店舗を展開している。アウトドアの観点から地域の魅力を発掘、情報発信するとともに、人を呼び込む専門家集団である。日本の豊かな地域資源をもとに地域を豊かにするモデル提案している。
  長崎県では、JリーグのV・ファーレン長崎を中心に、中心市街地のまちづくりを含めた大きな流れが生まれている。人口流出超過の課題に対して改善の糸口になるものと考えられる。スポーツ用品関連のものづくり分野では、地域の中小企業の優れた技術が活かされ、今後の成長が期待されている。
 スポーツビジネスの裾野は広く、地域経済の活性化とともに、人の交流を生み、人生の生き甲斐をもたらす。地域にとってもスポーツビジネスに継続性をもって取り組むことは、豊かな地域社会づくりのための不可欠なテーマといえる。