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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

自動化・省人化投資がもたらす生産性革命

(産業立地2018年11月号特集より)
【国が主導する「生産性革命」への取組】
 わが国が持続的な経済成長を成し遂げる上で、最大の制約要因とされるのが、目下の少子高齢化とそれに 伴う労働力不足である。これを克服し、成長への経路を見出すためには、質・量の両面における人材の確保 と並行して、イノベーションの強化等による生産性の向上が急務とされている。
 こうした認識の下、政府は昨年12月、「生産性革命」と「人づくり革命」を車の両輪とする2兆円規模の 「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定した。この中では、今年度から2020年度までの3年間を「生産性 革命・集中投資期間」と位置づけ、最終年度までに労働生産性の年2%向上、設備投資の2016年度比10%増 といった目標を達成すべく、税制、予算、規制改革等の施策を総動員するとした。これに続き、今年6月に 閣議決定した「未来投資戦略2018」でも、前述の目標を堅持しつつ、「Society5.0」「データ駆動型社会」 という視点を加味して、従前の取組の再構築、新たな仕組みの導入を図っていくとしている

【自動化・省人化投資における期待と課題】
 労働力不足の顕在化・深刻化が著しい製造業において、解決策の1つとして期待されているのが、自動機・ ロボット等の導入による自動化・省人化投資である。これまで主に定型的・反復的作業の代替手段とされて きた自動機やロボットだが、技術革新の進展、IT・IoT・AIによる製造現場の見える化、それに伴うバリュー チェーンの変革、さらには働き方改革への機運の高まりなどを受けて、その利活用の領域を急速に拡大して いる。一方で、これらの導入促進に向けては、費用対効果の不透明さ、専門知識を有するデジタル人材の不 足、旧来の生産工程の再構築などの課題も表面化しており、中小企業の多くは消極的な姿勢を崩していない。
  今なお黎明期にある自動化・省人化投資の動きが、果たしてものづくりの現場をどのように変え、どういった 形で生産性の向上をもたらしうるのか。本特集では、導入促進に取り組まれる様々なお立場から、現状と今後 についてご寄稿いただいた。目まぐるしく変転する本分野の一端でもお伝えできれば幸いである。