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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

最近の企業立地

(産業立地2018年5月号特集より)
 経済産業省が3月に発表した「平成29年工場立地動向調査の結果(速報)」によると、製造業等の工場立地件数は1009件で(前年比1.7%増、15件増)、同工場立地面積は1,228ha(前年比9.4%増、5ha増)となり、立地件数・面積ともにリーマンショック後(平成21年以降)では、過去2番目の多さとなっている。特に、2ha以上の規模が大きい立地件数が増えていることも特徴的である。

 近年、確かに設備投資意欲は高まっているものの、その内容を詳しく見てみると、既存施設・設備を中心とした維持やリニューアル、既存事業所内や隣接地での増設等がほとんどとなっている。また、本来「雇用機会の確保」を最大の目的として行ってきた企業誘致は、人口減少・少子高齢化が進展し、人材不足が顕著となっている現在においては、既存企業と誘致企業との「人」の奪い合いになりかねない懸念にも直面している。

 そんな中、“地域の強み”を活かして、それぞれの振興プランを描き、実現させていくことが企業立地のキーワードにもなっている。国内の産業構造は、サービス経済化の進展、IoTやAIといったICT産業の成長などによって大きく変化していくといわれている。平成29年7月31日に施行された「地域未来投資促進法」では、各地域が対象を製造業だけに絞るのではなく、多種多様な業種・業態を考慮した企業誘致、地域産業の育成・振興を図っていくように求めている。それぞれの地域に在る資源や強みを生かした「地域への未来投資」を図り、魅力的な地域をつくりあげていくことで、内外の人材を誘引する環境を整えていくことが求められている。

 こういった背景を受けて、本号の特集では、最近の企業立地の展望をまとめた「産業立地考」、東日本大震災地域における企業誘致、地方への本社移転、“内発型”の企業支援などを紹介した。また、巻頭インタビューでは、近年社会増の兆しが見え始めている広島県三次市の増田市長に、交通インフラを活かしたまちづくりや企業誘致、市内企業へのサポート等についてお話を伺った。